システム運用ヒント集

 

今までの経験からシステム部門の運用について列記してみました。

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ヒント集
システム要員 経費削減
トラブル防止 自動スケジュール
 
よくある質問 質問内容
システム要員
システム要員の社内移動、社外移動について
西暦2007年問題とは
システム部が強いか、弱いか、会社内の位置付け
システム運用要員は女性を使う
 
経費削減
外注オペレータの会社は定期的に変更する
帳票出力を減らす。ペーパーレス化
女子担当者の再雇用
 
トラブル防止
運用マニアルのカルテ化
運用担当を毎年変える
人間はミスありきの発想で運用する
変更依頼は電話で受け付けない
 
自動スケジュール
「自動運用JOB起動システム」AOJとは
 



 
■ システム要員


Q:システム要員の社内移動、社外移動について
●他部門からシステム部への移動

 他部門からシステム部へは充分検討の余地がある
 入社後 2〜3年の社員を選ぶこと、10年以上の社員を選んではいけない。
 理由として、システム部で一人立ちは1〜3年かかり、10年以上の社員では
 その間、持ちこらえない。
 給料分仕事をしていないとか、俺には実力がないと思ったり、元の同僚から仕事やってるの
とか言われて、悩み、やがて退職してしまうことがある。
 他部門からの10年社員で対応できる人は、よほどSEのセンスの良い人か、まったくの無頓着な人であろう。

●システム部から他部門への移動
 システム部から他部門への移動はシステムに強い人を各部署に置くという観点から進められる。総務部向きとかその人の性格に考慮する。

●他社からシステム部への配属
 他社からシステム部への配属された場合は、いろいろなスキルを持っており、外部の風を入れる意味でも推薦される。

●システム部から他社への移動
 西暦2007年問題などがあり、充分、引継ぎなど考慮すること。
 目先の人事にとらわれると、大変なことになる。
 システム部は他部門と違い簡単に引継できない。
 プログラムを作った事がない人がシステム部長になり、目先の人事にとらわれて簡単に
 ベテランを切ると大変なことになる。
 ベテランの場合はシステムの表、裏を知っており、居なくなるとシステムの維持管理が
 できなくなる。素人部長が良く陥るワナである。


西暦2007年問題とは

●西暦2007年問題とは、

「長年企業において大型汎用機などの基幹系システムを 開発・保守してきたベテランが引退してしまい、 今まで培ってきた技術やノウハウなどが継承されず、 基幹系システムの維持が困難になる現象」を指しています。

この問題は、人減らしに邁進している無知な経営者に警鐘を鳴らすものである。

この問題は、今後の汎用機の行方と大きな関わりを持っており、
スクラップ&ビルドでサーバーに移行するか、汎用機を使い続けるかで大きく変わってくる。

●現実的な西暦2007年問題対応策としては

  担当者を担当から一年以上はずし、新担当者が全てを行う事である。
  そして、分からなくなった時は、いつでも聞ける体制をとっておく。

  知っている人が、いるといないとでは、対応に天と地の差が出る。
  開発担当者は1つ言えば100帰ってくるが、引き継いだ人は1つ言えば1しか帰ってこない。

  他部署の移籍が難しい時は、パソコンサポート担当、マニアル標準化担当にする。

  ある期間、人員がラップするが、ここで費用をケチってはいけない。

  担当者がいなくなって、外部要員に依頼したら、過大な出費になる。
  人件費削減のつもりが、人件費が数倍増になる事はよくある。


システム部が強いか、弱いか、会社内の位置付け
●システム部が強いか、弱いか、会社内の位置付けはシステム部長の力量、政治力で決まる。
 システム部が強い会社、弱い会社の両極端有るが、それはシステム部長によって決まる。会社内での地位が低いシステム部はシステム部門長を交代させた方が良い。


システム運用要員は女性を使う
●システム運用要員は女性方が向いている。
 会社の規模にもよるが、チーフは男性1名であとの運用担当者は女性で良い。
 男性よりきめ細かな運用ができる。
 他部門よりあまり無理な要求は少ないかも知れない。



 
■ 経費削減


外注オペレータの会社は定期的に変更する。
●外注オペレータに全権を任してはいけない
 社内要員でいつでも対応できるようにしておくこと。
 長年、外注オペレータに全権を任していると契約料金のアップに対応せざるを得なくなる。
 オペレータの引き上げをちらつかせて契約料金のアップを迫る場合が多い。

●外注オペレータの会社を定期的に変更する。
 定期的に変更して契約料金のアップを防ぐ
 マニアルが整備される。


帳票出力を減らす。ペーパーレス化。
●帳票出力の廃止。
 定期的に帳票出力の利用度調査をしても良いが、ユーザー部門主体の場合なかなか減らないのでシステム部主体で決めた方が良い。

●帳票出力のExcel化にする。
 CSVファイルに自動で毎日又は毎月、ファイルを作成する。
 この場合、レコード長は長くなるがマスター名称は入れておいた方が良い。
 項目も細分化した別項目もムダだが持った方が良い場合がある
  xyz010とxyzと010 ムダに見えるが使い勝手を優先させた方が良い。

 ★CSVファイルをEXCELで表示した場合に、先行ゼロが消えない形にするには
 文字項目の品番など前ゼロが消えて困る時がある。
  品番  記号 数量  
  0012345,ABCDE,1000, 
 をEXCELで表示した場合は
  12345,ABCDE,1000, 
 になってしまう。
 対策は、文字項目の時、「="0012345"」と記入する。
 このファイルをEXCELで開くと「0012345」となる。
 別名保存でCSV形式の保存をすれば「=" "」は消えて、「0012345」で保存される
 VBの記述は
 Print #1,"=""" & rs1a![品番] & """,=""" & rs1a![記号] & """," & Val(rs1a![数量])


女子担当者の再雇用
●結婚、子育てで退社した女子社員をパートなどで再雇用する。
 システム部門で一人前になるには時間がかかるので、即戦力の経験者を再雇用する。

●給与をケチってはいけない
 IT技術者を一般パートの人と同じ給与では誰も来ない。
 人事部とよくもめるが、一般パートより賃金は高いのがこの世界の常識。
 正社員に比べればまだ安い。


 
■ トラブル防止


 運用マニアルのカルテ化
●一ヶ所にまとめて保管する。
 はじめて運用担当のチーフになった時、運用担当者が個人の引き出しに閉まっており本人しか分からなかったので、1ヵ所に集中管理した。
 当人が休んでいても誰にでもできる。

●病院のカルテと同じでトラブル履歴を記入しておく。
 運用JOB単位にマニアルを作り、処理日、処理時間、正常又は異常内容を記入するようにした。
 これにより過去にどのようなトラブルがあり、どのように対処したかが明確になり、トラブルが減った。

 記入用紙を作る場合、記入項目をあれもこれもと入れたくなるが、極力記入項目は少ない方が良い。
 担当、処理日、処理時間、結果内容、対策 位で良い。


 運用担当を毎年変える
●期の始めで担当を変える。
 担当変更はチーフが口出しせず、担当者内で決めるようにした方が良い。
 特に女性の世界はむずかしい(^_^;;)


 人間はミスありきの発想で運用する。
●人間の注意力でカバーしている運用はトラブルが多い。
 極力、人間の判断力は避ける---->運用システムの自動化



 変更依頼は電話で受け付けない。
●依頼連絡は必ず書面で受けること。
  変更依頼は証拠が残るようにする事。後で言った言わないでよくもめる事がある。

 
■ 自動スケジュール


 「自動運用JOB起動システム」AOJとは
●「自動運用JOB起動システム」とは
 私が勝手にネーミングしました。(^_^)
 AOJ(Automatic operation JOB starting System)エーオージェーと呼びます。

メインフレームの自動オペレーションシステムです。
基本スケジュールより、毎月の実行スケジュールを作成して毎日JOBを起動します。

起動JOB発行処理で該当処理日になっていたらそのJOBを起動させる。
オンライン照会で何が、いつ、何時に動くがわかる。
全体のコンピュータ負荷量がわかり調整が効く(もっとも最近はコンピュータ処理能力が上がり負荷調整の必要はないが)
当月に変更があれば実行スケジュールを変更する。

●基本スケジュールマスター
 スケジュール化する基本日程
 起動条件
  S1:稼働日1日目、E2:月末稼働日2日目
  W3:毎週水曜日
  M15A:毎月15日(15日が休日は16日)、M20B:毎月20日(20日が休日は19日)
  J2000 03:2000日を起点にして3日おきに実行する。
 起動JOBコード
  SCF又はJOBマクロのJOBコード
  :S SABC0010  \ ABC00010
 スケジュール発行NO
  スケジュールを発行したいNO(SCF、JOBコードでもよい)を記入する。
  DAY00009:朝一9時起動 DAY00013:13時起動 
  SABC0500:SCFのSABC0500が終了後起動

●実行スケジュール
 基本スケジュールマスターから翌月分の実行スケジュール作成する。月一回15日頃
 縦軸:起動JOBコード、横軸31日分の欄で動く時は*印が入る。
 ABC001 ******************************* 毎日稼動
 ABC002 * ■■■■■■■■■■■■■■■■月初稼動
 ABC003 * * * * * * * * *   3日おき稼動

●月間実行スケジュール表の出力
 月間実行スケジュール表を出力して月間、担当者別の負荷を見る。
 負荷オーバーの時は実行スケジュールを調整して変更する。
 帳票の在庫不足の確認を行う
 月間実行スケジュールをオンラインで誰でも(権限のある人)見ることができる。
 上司が運用担当者にいちいち聞かなくて済み、情報の共用化ができる。

●実行スケジュールの変更
 変更が有った場合は*を移動、削除、追加する。
 変更は実行スケジュールで、基本スケジュールは動かない。

●起動JOB発行
 実行スケジュールを全件読んで、処理日に*印があり、スケジュール発行NOが一致したら起動JOBを発行する。

●起動JOB発行のSCF
 日次処理の朝一、10時、13時など必要な個所で起動したり、ABC00200処理の後、起動したい時は、ABC00200の処理の最後に起動JOB発行を入れておく。

●翌日分実行スケジュール表の出力
 定時頃に、明日の実行スケジュールを運用担当者別に出力する。
 運用担当者は運用マニアル(カルテ化したマニアル)をファイリングより抜き出して、箱に入れてオペレーターに渡す。

●当日処理チェック
 スケジュールは自動で処理されるので、完了時間のみ記入すれば良い。  トラブルがあった時はトラブル内容と対策を記入して、トラブル再発を防止する。


 
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